- SNSは万能ではない。事業との相性には明確な理由がある
- 伸びる事業は「物語・可視化・リピート」を持っている
- 伸び悩むのは、商材の魅力が視覚と物語に乗りにくい場合
- 相性が悪くても、見せ方の設計で勝ち筋はつくれる
- 500人超のSNS運用者を統括し、10の事業に携わった経験から見極めを解説
- フォロワーではなく事業の成果指標(獲得数・LTVなど)で握る
前提:SNSは万能の集客装置ではない
私はこれまで10の事業に携わってきました。その中で痛感したのは、SNSは、どんな事業でも同じように効く魔法ではないということです。同じ熱量で運用しても、驚くほど伸びる事業と、なかなか動かない事業があります。この違いを理解しないまま「とりあえずSNSを」と始めると、努力が空回りしてしまいます。
大切なのは、始める前に自社の事業とSNSの相性を見極め、相性に応じて期待値と打ち手を調整することです。相性が良ければ素直に伸ばし、相性が難しければ見せ方を工夫する。この判断ができるかどうかで、SNSが資産になるか、消耗になるかが分かれます。まずは、伸びる事業に何が共通しているのかを見ていきましょう。
伸びる事業の共通点(物語・可視化・リピート)
伸びる事業には、三つの共通点があります。一つ目は物語があること。商品やお店の背景に語れるストーリーがあると、人は応援したくなり、共感が拡散を生みます。二つ目は視覚で魅力が伝わること。料理、空間、変化、仕上がりなど、一目で価値が伝わる要素があると、SNSという視覚メディアの上で強く働きます。
三つ目はリピートや継続購入があること。一度きりで終わる商材より、繰り返し買われる・通われる事業のほうが、フォロワーとの関係が売上に変わりやすくなります。飲食、美容、教室、D2C(お店を通さず、作り手が直接お客様に売る形)ブランドなどがこの三つを備えやすいのは、偶然ではありません。自社にこの要素があるなら、SNSは大きな武器になります。
伸び悩む事業の特徴
一方で、伸び悩みやすい事業にも特徴があります。商材の魅力が視覚に乗りにくいもの、購入が一生に一度で継続がないもの、検討が極端に理性的で共感が入り込む余地が小さいもの。たとえば、専門的すぎて一般の人には価値が伝わりにくいサービスや、緊急時にしか使われない商材は、SNSでの日常的な接触が成果に直結しにくい傾向があります。
ただし、これは「SNSをやる意味がない」という話ではありません。相性が難しい事業ほど、目的をリード獲得や指名検索の獲得、信頼の醸成に置き換えることで、SNSの役割を再定義できます。売上への直結を狙うのではなく、いざというときに思い出してもらう存在になる。相性を正しく理解すれば、無理のない使い方が見えてきます。
相性が悪くても打ち手はある
相性が難しい事業でも、見せ方の設計で勝ち筋はつくれます。物語がないなら、つくる。お客様の悩みや、その事業が生まれた理由、働く人の姿を掘り起こせば、そこに物語が宿ります。視覚に乗りにくいなら、比喩やビフォーアフター、図解で“見える化”する。理性的な検討が中心なら、専門性を惜しみなく発信して「詳しい人」としての信頼を積み上げる。
私が10の事業で学んだのは、相性は運命ではなく、設計で動かせるということです。生まれつきSNS向きの事業が有利なのは事実ですが、そうでない事業も、切り口を変えれば戦えます。大事なのは、自社の相性を正直に見極めたうえで、その事業に合った目的と見せ方を選ぶこと。ここを一緒に設計するのが、私たちの役割です。
自社はどうか。判断のものさし
自社の相性を測るには、先ほどの三つ——物語・視覚・リピート——を自問してみてください。語れる背景はあるか。一目で伝わる魅力はあるか。繰り返し選ばれる関係はあるか。三つ揃っていれば、SNSは素直に伸ばせます。一つ二つ欠けていても、設計次第で十分に戦えます。ゼロなら、SNS以外の打ち手と組み合わせるのが賢明です。
大切なのは、流行っているからという理由で始めるのではなく、自社の事業特性に照らして判断することです。私たちは、無理にSNSを勧めることはしません。相性を正直に診断し、伸ばせるなら本気で伸ばし、難しいなら目的を再定義するか、別の道をご提案します。自社の相性が気になったら、まずは無料の診断で、現状のゴールをお聞かせください。