ナカノヒトby まがり株式会社
コンセプト設計

“狂える味”に学ぶコンセプト設計|選ばれるSNSアカウントの作り方

選ばれるアカウントは、投稿のうまさではなくコンセプトの強さで決まります。「狂える味」で店を話題化させた実体験から、その作り方をお伝えします。
最終更新:2026年7月1日 / 著者:三浦 康太郎(まがり株式会社 代表取締役)
この記事の要点
  • 伸びる/伸びないの分かれ目は、投稿術より前のコンセプト設計
  • 強いコンセプトは「尖り・一貫性・自分ごと」を満たす
  • コンセプトが決まると、投稿の迷いが消え、発信がぶれない
  • 万人向けを狙うほど、誰の心にも刺さらなくなる

なぜ投稿術より先にコンセプトなのか

SNSがうまくいかないと、多くの人は投稿の技術——見出しの付け方や編集のテクニック——を磨こうとします。もちろん大事ですが、その前に決めるべきものがあります。コンセプトです。この店・このブランドは、誰に、何を約束する存在なのか。ここが定まっていないアカウントは、どれだけ投稿がうまくても、見る人の記憶に残りません。

私は所持金わずか3,000円から飲食店を立ち上げ、「狂える味」というコンセプトで話題をつくり、地域メディアにも取り上げられました。振り返って確信するのは、話題になったのは投稿がうまかったからではなく、コンセプトが尖っていたからだということです。コンセプトが強ければ、発信は自然と力を持ちます。順番を間違えないことが何より大切です。

「狂える味」はどう生まれたか

「狂える味」というコンセプトは、万人に好かれる無難な味を目指すのをやめた瞬間に生まれました。師匠から学んだのは、全員に八十点で好かれるより、一部の人が「狂ったように通いたくなる」百二十点をつくれ、という考え方です。尖らせることは、一部の人に刺さらないことを引き受けることでもありますが、その代わり、刺さった人は熱狂的なファンになります。

この考え方は、SNSアカウントの設計にそのまま当てはまります。誰にでも当たり障りのない発信は、誰の心にも残りません。逆に、届けたい人をはっきり定め、その人にとっての百二十点を狙うと、強い共感が生まれ、その熱がフォロワーを超えて広がっていきます。コンセプトとは、この「誰に、何で狂ってもらうか」を言葉にしたものです。

コンセプトの作り方(尖り・一貫性・自分ごと)

強いコンセプトには三つの要素があります。一つ目は尖り。万人ではなく、特定の誰かに深く刺さる一点を持つこと。二つ目は一貫性。その一点を、投稿でもプロフィールでも接客でも、ぶれずに貫くこと。バラバラだと、せっかくの尖りがぼやけてしまいます。

三つ目は自分ごと。作り手が心から信じ、語れるものであること。借り物のコンセプトは続きませんし、熱も宿りません。この三つを満たす一文を見つけるまで、問い続けます。「うちは、誰の、どんな気持ちに、何を約束するのか」。この問いに自分の言葉で答えられたとき、コンセプトは完成に近づきます。私たちは、この言語化を一緒に進めます。

発信への落とし込み方

コンセプトは、掲げただけでは意味がありません。日々の発信に落とし込んで初めて力を持ちます。やり方はシンプルで、すべての投稿をコンセプトに照らして判断すること。「この投稿は、うちのコンセプトを体現しているか」を問い、外れているものは載せない。この一本の軸があるだけで、投稿の迷いが消え、アカウント全体に統一感が生まれます。

プロフィール文、ハイライトの構成、リールのテーマ、キャプションのトーン。これらすべてを、コンセプトという一つの旗のもとに揃えていきます。すると、初めて訪れた人にも「この人たちは何者で、何を大事にしているのか」が一瞬で伝わります。コンセプトが背骨として通ったアカウントは、投稿の一本一本が積み重なって、揺るがない世界観をつくり上げていきます。

実例:『狂える味』という一点突破のコンセプト

コンセプト設計の力を、代表は自らの店で証明しています。朝ラーメン専門店「ラーメン朝太郎」では、「万人に好かれる味」ではなく“狂える味”という尖ったコンセプトを掲げました。全員に少しずつ好かれるより、一部の人が熱狂する一点を突く——これが無名の新店が埋もれないための設計でした。

コンセプトを支えたのが、ピンクメガネ・割烹着・慶應生・40食限定という「フックの束」です。一つひとつは小さくても、束ねることで「気になる」「話したくなる」状態が生まれます。結果、開店初日は20分で完売、200日以上の連続完売につながりました。良い商品を“どう見せ、どう語るか”で結果は大きく変わるのです。

コンセプトは「一言で言えるか」で決まる

強いコンセプトには共通点があります。それは、一言で言えて、聞いた人が誰かに話したくなることです。「朝しか開けないラーメン店」「狂える味」のように、短く、具体的で、引っかかりのある言葉になっているか。説明に何行もかかるコンセプトは、まだ設計が甘い状態です。

言語化のコツは、「誰の、どんな気持ちに、何を約束するか」を一文にすることです。ここが定まると、投稿のトーン、写真の撮り方、プロフィールの一言までが自然と揃っていきます。逆にここが曖昧なままだと、どれだけ投稿を重ねても像がぼやけ、記憶に残りません。

コンセプトを運用に落とし込み、継続で育てる

コンセプトは、決めて終わりではありません。毎回の投稿がそのコンセプトを一貫して体現して初めて、見た人の中に像が積み上がります。私たちは、決めたコンセプトを企画・台本・撮影指示・編集の各工程に落とし込み、月10本のリールで繰り返し表現していきます。

大切なのは一貫性と継続です。SNSは一度のバズで決まるものではなく、同じ世界観を積み重ねることで「この人(店)はこういう存在だ」という認知が育ちます。撮影はお客様のスマホででき、構図や見せ方は遠隔で指示するため、全国どこでも同じ品質でコンセプトを運用し続けられます。

コンセプト設計でやりがちな失敗

最後に、よくある失敗を挙げておきます。最も多いのは、万人に好かれようとして、尖りを削ってしまうことです。ターゲットを広げるほど、メッセージは薄まり、結局誰の心にも残りません。怖くても、届けたい人を絞り込む勇気が必要です。次に多いのは、かっこいい言葉を並べただけで、中身が伴っていないケース。言葉が実態とずれていると、見る人はすぐに見抜きます。

もう一つは、途中でぶれてしまうこと。反応が薄いと不安になって方針を変えたくなりますが、コンセプトは積み重ねてこそ効いてきます。短期の数字に一喜一憂して軸を変えると、これまでの蓄積が無駄になります。尖らせ、貫き、信じ続ける。この三つを支えるのが、私たちのようなパートナーの役割です。コンセプトから一緒に考えたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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よくある質問

Qコンセプトと肩書き(何屋か)は違いますか?
違います。肩書きは“何を売るか”、コンセプトは“誰の、どんな気持ちに、何を約束するか”。後者が共感と選ばれる理由を生みます。
Q尖らせると客層が狭まって不安です。
狭めるのは怖いですが、尖りは熱狂的なファンを生み、その熱が結果的に広がります。万人向けの無難さこそ、記憶に残らないリスクです。
Qコンセプトは自分で作れますか?
作れます。ただ、当事者ほど自社の魅力は見えにくいもの。第三者と問答しながら言語化すると、精度が上がります。私たちが伴走します。
三浦 康太郎
まがり株式会社 代表取締役 / 慶應義塾大学 環境情報学部4年

大学在学中に朝ラーメン専門店「ラーメン朝太郎」を開業。師匠直伝のブランディングと“狂える味”で話題を呼び、タウンニュース藤沢版などの地域メディアにも掲載された。この経験で培ったブランディングと話題化の設計を、SNS運用に応用している。1,500冊以上を読破し10の事業に携わり、500人超の運用者から再現性の高い人材を見抜く目と、売上から逆算する事業設計に強み。ナカノヒト(Instagram運用代行)を運営。

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