ナカノヒトby まがり株式会社
日本酒

日本酒の蔵元のためのInstagram運用|物語とファンでECへつなぐ運用法

日本酒には、大きな伸びしろがあります。20〜30代の多くは、まだ日本酒に出会えていない“潜在ファン”。だからSNSの役割は、味だけでなく造り手の物語を届け、新しいファンを育て、ECや指名購入へつなぐこと。フォロワーではなく売上から逆算して設計します。
最終更新:2026年7月1日 / 著者:三浦 康太郎(まがり株式会社 代表取締役)
この記事の要点
  • 20〜30代の約7割が1年以上日本酒に触れていない=潜在ファンは大きい
  • 酒のEC化率は低く、ネット販売にはまだ伸びしろがある
  • 味そのものでなく、造り手の物語と飲用シーンで届ける
  • KPIはフォロワーでなく、EC送客・指名検索・購入
  • コンセプトで差別化し、若者・新規層にも届く設計に

潜在ファンは、実はとても多い

日本酒の集客を、まず市場の事実から捉え直しましょう。ある調査では、20〜30代の約7割が、1年以上日本酒に触れていないとされます。一見すると厳しい数字ですが、裏を返せば、まだ日本酒に出会えていない“潜在ファン”がそれだけ大勢いる、ということです。市場は縮んでいるのではなく、届いていないだけなのです。

実際、購入者の6割が20代という異色の日本酒が話題になるなど、きっかけさえ届けば、若い世代は日本酒に飛びつきます。問題は、良い酒をつくっているのに、その魅力が届くべき人に届いていないこと。SNSは、この“出会いの数”を増やすための最良の手段です。潜在ファンに、いかに出会ってもらうか。そこから設計を始めます。

味そのものでなく、「物語」で届ける

日本酒の魅力は、味や香りにあります。しかし、その味は、言葉と写真だけでは伝わりにくい。だからSNSでは、味そのものではなく、その周りにある物語を届けます。造り手の想い、仕込みの様子、蔵の歴史、米や水へのこだわり。物語は、まだ味を知らない人にも「飲んでみたい」という気持ちを生みます。

人は、背景に物語のあるものに惹かれ、応援したくなります。無名の銘柄でも、造り手の情熱や、その一本が生まれるまでのストーリーが伝われば、ファンになってくれる。味を説明するのではなく、味の周りにある人間の物語を見せる。これが、日本酒をSNSで届けるための核心です。私はラーメン店で、コンセプトと物語が人を動かすことを実体験しました。日本酒も同じです。

KPIはフォロワーでなく、EC送客・指名検索

蔵元のSNSで追うべきは、フォロワー数ではありません。ゴールは、ECでの購入、酒販店での指名、蔵への関心です。だからKPI(目標の達成度をはかる指標)も、SNS経由でどれだけEC送客や指名検索につながったかに置きます。ある指摘では、酒類のEC化率は他業界に比べて低く、まだ伸びしろが大きい。ここを取りにいくのです。

EC送客をKPIに据えると、逆算の設計ができます。目標の売上から必要なプロフィール到達を出し、保存やプロフィール遷移を設計し、投稿へ落とし込む。地方の蔵でも、SNSとECを組み合わせれば、全国のファンに直接届けられます。フォロワーの数ではなく、実際に一本が売れたか。事業の成果で握ることが、蔵の未来をつくります。

若者・新規層に届ける設計(飲用シーン・ペアリング)

潜在ファンである若者・新規層に届けるには、彼らの生活に寄せた見せ方が要ります。効くのが、飲用シーンとペアリングです。どんな料理と合うのか、どんな場面で飲むと最高なのか。「この日本酒を、こんなふうに楽しめる」という具体的なイメージが、初めての人の一歩を後押しします。

成功例として、有名蔵がアウトドアブランドと組み、「外で楽しむ日本酒」という新しい体験を提案して若い層をつかんだ事例もあります。難しい専門用語で語るのではなく、新しい人が「自分ごと」として楽しめる文脈をつくる。もちろん、適正飲酒への配慮は前提です。ハードルを下げ、日本酒のある暮らしを魅力的に見せることが、新規ファン獲得の鍵です。

コンセプトで、数ある銘柄から抜け出す

日本酒は銘柄が非常に多く、ただ「美味しい」だけでは埋もれます。ここから抜け出す鍵が、コンセプトです。「この蔵は、誰の、どんな気持ちに、何を届けるのか」を尖らせるほど、その価値を求める人に深く刺さります。万人向けの無難な発信は、記憶に残りません。

私はラーメン店を「朝しか開けない専門店」という一点に尖らせ、無名の新店を話題にしました。日本酒も同じで、その蔵ならではの世界観や、突き抜けた一点を打ち出すことで、数ある銘柄の中から選ばれます。伝統を守る蔵の物語でも、革新に挑む姿でも構いません。芯の通ったコンセプトが、ファンとの強い関係を生みます。

探している人に、見つけてもらう設計

日本酒好きは、Instagramでも銘柄や好みで検索します。だから、キャプションや名前欄のキーワード設計が効きます。「甘口」「純米大吟醸」「◯◯県の地酒」など、その味を探している人が打ち込む言葉を織り込んでおく。すると、まだ蔵を知らない全国の日本酒ファンに、発見欄や検索から見つけてもらえます。

ハッシュタグの大量付けではなく、内容に合ったキーワードを自然に入れることが、今のInstagramの主流です。造り手の物語で惹きつけ、キーワードで見つけてもらい、ECへつなぐ。この流れを一本の導線として設計します。地方の蔵にいながら、全国の「この味を探している人」に届く——それがSNSの力です。

ファンの声を、最大の素材にする

日本酒の発信で最も強い素材の一つが、飲んだ人の声です。「この一本に出会えてよかった」というファンの言葉は、どんな宣伝文句よりも、次の新しいファンを連れてきます。人は、造り手の自己主張よりも、同じ立場の飲み手のリアルな感想を信じるからです。

だから、ファンの投稿や感想を、掲載の可否に配慮しながら発信に活かします。飲んでくれた人がSNSで語りたくなるような、物語や体験を用意しておくことも大切です。ファンの声が新しいファンを呼ぶ好循環を、設計してつくる。私はクラウドファンディングで、共感が人を動かすことを実体験しました。蔵のファンづくりも、この共感の連鎖から始まります。

撮影は蔵のスマホで。TTP×KPI、完全遠隔で

これらを、忙しい蔵でも無理なく回すのが私たちの役割です。撮影は蔵のスマートフォンで、仕込みの様子や酒の表情を短時間で撮っていただき、構図はオンラインで指示します。企画・編集・分析はこちらが担い、完全遠隔なので、地方の蔵でも都市と同じ品質で運用できます。

運用の中身は、ナカノヒトのメソッドであるTTP×KPIです。伸びている酒蔵アカウントを構造から分析して型を取り入れ、事前に決めたEC送客というKPIへ向けて、投稿・分析・改善を回します。良い酒という確かな価値を、それを求めている全国のファンに届く形へ翻訳する。まずは無料で、現状のアカウントを診断します。

フォロワーではなく、お客様を。

結果を出す“中の人”が、企画から分析まで一貫で運用。まずは無料で現状を診断します。

無料で相談する

よくある質問

Q若い人に日本酒は売れますか?
伸びしろは大きいです。20〜30代の多くはまだ日本酒に出会えていない潜在ファンで、きっかけさえ届けば飲用につながります。飲用シーンやペアリングで届けます。
QECにつなげられますか?
はい。酒類のEC化率はまだ低く、伸びしろがあります。物語で惹きつけ、キーワードで見つけてもらい、EC送客をKPIに設計します。
Q撮影や更新の手間が心配です。
撮影は蔵でスマホ、短時間で十分です。企画・編集・分析は当社が担い、完全遠隔で回します。適正飲酒にも配慮して進めます。
三浦 康太郎
まがり株式会社 代表取締役 / 慶應義塾大学 環境情報学部4年

大学在学中に朝ラーメン専門店「ラーメン朝太郎」を開業。師匠直伝のブランディングと“狂える味”で話題を呼び、タウンニュース藤沢版などの地域メディアにも掲載された。この経験で培ったブランディングと話題化の設計を、SNS運用に応用している。1,500冊以上を読破し10の事業に携わり、500人超の運用者から再現性の高い人材を見抜く目と、売上から逆算する事業設計に強み。ナカノヒト(Instagram運用代行)を運営。

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